在宅看護と医ケア

『医療的ケア児交流会』で、疎外感を感じた話。

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raru
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この記事は、医療的ケア児の交流会に参加してみた時の話です。

娘が生まれてから1度だけ行った『医療的ケア児交流会』。
案外皆さん吹っ切れているというか、子供の病気を受け入れている様子のお母さんばかりでしたが・・・

気分を楽にするために参加したはずだったのに・・・
ハートをグイグイえぐられる事態に発展します。

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『医療的ケア児交流会』に参加した経緯

まず、なぜこの『医療的ケア児交流会』に参加したのか。

娘うまみは難病のため、毎週家に訪問看護の方が来てくれるのですが、ある日看護師さんから

「お母さん、『医療的ケア児交流会』があるんですけど、ぜひ参加してください!」

といわれたのがきっかけでした。

うまみを連れて二人きりでの外出は、正直気が重く・・・。
この時のうまみは、ちょうど「経鼻エアウェイ」を卒業したばかりだったので、運転中に息苦しくなったりしないか気になって仕方がなかったです。

授乳も、経管栄養オンリーだったので、万が一に備えて、経管栄養のアイテム一式も持っていくことになります。
「経鼻エアウェイ」を挿管していた時は、プラス「吸引器と吸引道具一式」だったので、その時に比べると全然楽にはなっていたものの、鼻チューブが抜けたら…とか、運転中に泣いたら…とかやはり考えてしまいます。

暗い表情の私を見て、看護師さんが・・・

「お母さん、大丈夫ですよ!
会場はうちの会社内にありますし、看護師もたくさんいます。何かあってもすぐに対応出来ますから!

お母さんと同じ『医ケア児をもつお母さん』と話をしてみるいいチャンスですよ!
仲良くなれるかもしれないですし。
それに、今回はうまみちゃんにとっても役に立つ情報満載なので、ぜひ来てください!」

そう言われてしまったので、断り切れず、参加することになりました。

この時の私は

「別に仲間なんかほしくない。」
「同じ医ケア児をもつお母さん達と仲良しこよしする余裕なんてない。」
「交流したいなんて思わないし…。」
「どうせ皆、げっそり疲れたお母さんばかりが集まるんでしょ?」
「キズの舐めあいとか…辛いだけやん。」

そういった負の考えだったので、本当に気が重くて…
※この時は自分自身、偏見がすごくて…今は違いますよ!!

はじめまして、医ケア児たち

実際にその『医療的ケア児交流会』に参加してみると…

そこには10名ほどの「医ケア児」を連れたお母さんが既に来ていました。

ばっちりお化粧をして、おしゃれをしたお母さんから、すっぴんでやつれた感じのお母さん、おばあちゃん同伴のお母さん、兄妹を連れてきているお母さんまで、様々でした。
一緒に連れてきている「医ケア児」も様々で、気管切開をしている子、専用のバギー?に乗った子、たくさんのチューブや機械が取り付けられている子など、見た目からすぐに何らかの疾患があることがわかる子ばかりでした。

うまみは…
難病とはいえ、経管栄養チューブ(鼻チューブ)はついているものの、気管切開をしているわけでもなく、先日経鼻エアウェイも取れ、見た目には「難病」とわからないレベルで・・・。

重度な口蓋裂があるものの、そちらも口の中なのでわからない…
呼吸状態もまだ感知してはいないが、見た目にはわからない…

なんとなく、私とうまみはその輪の中で浮いた親子のような存在に見えたと思います。

そんな中、いつもの看護師さんが登場し、「各自、自己紹介から始めましょう。」となりました。

子どもの病気について、病名など詳しい紹介をするお母さんはほとんどいなかったのですが、みんなサラっとどこが悪いのかぐらいの紹介と、年齢、名前程度の簡単な自己紹介をしました。

そしてついに、私の番が来た。

「うまみです。生後7か月の女の子です。現在は経管栄養チューブが入っています。」

たった、これだけの不愛想な自己紹介となってしまった。

なぜなら、しぶしぶの参加という事もあったのですが、うまみは1/30000の確率で起こる難病ということで、初めは私も聞いたことすらない病名であり、病名を言ったところで知っている人はいないだろう…というのもありました。

仮に言ったとしても、「それってどんな病気なんですか?」とか掘り下げられるのも嫌だな・・・という気持ちも大きかったのです。

なにげない会話に疎外感を感じる

簡単な自己紹介が終わり、看護師さんが今回の 『医療的ケア児交流会』 のテーマを発表し、どんどん進行していきました。

中には「なるほど。」な情報もあったが、うまみの場合はそれほど関係のない話が多かった気がします。

最後に「みんなで親睦を深めましょう。」と、自由時間が与えられ、各自周りのお母さんと話をしはじめました。

私はというと…「早く帰りたい。」その一心でした。

周りのお母さんたちは、同じような病気の子がいたりで(見たらわかるので)、共感しあって笑ったり、お互いにどのように看護しているかを興味深く熱心に情報交換しているようでした。

ぽつんと、私とうまみは二人、その輪の中にただ、座っていました。

するとそこへ…

「はじめまして。」

そう話しかけてきたのは、やつれた感じのお母さんでした。

そのお母さんは、すっぴんで、身なりもお構いなしといった印象でしたが、顔立ちは可愛らしい感じだったのをよく覚えています。

「あ…はじめまして。」

愛想笑いで、返事をすると、そのお母さんがいろいろと自分の事・子供の事を話し始めました。

きっと、誰かに聞いてほしかったのだろう。そんな印象を受けました。
どうやらその子は一人目の子供で、産後すぐにもう一人を妊娠し、下の子は特に障害などもないそうです。
お母さんの年齢は確か30代前半。(私40歳目前…)
病名も伝えられたのですが、はっきりとは覚えていません…ただ、脳に障害があるというのだけは覚えています。

ひとしきり、話し終えたとき、そのお母さんが私に言ったのです。

「うまみちゃん、全く悪そうに見えないんですけど、何の病気なんですか?」

「え・・・えーと・・・一応、難病と言われてるんですけど、見た目じゃわからないですよね…
今は産まれたときから比べると、ずいぶんよくなってきてて、先日ようやく「経鼻エアウェイ」っていうのを卒業したばかりなんですよ。あ、鼻にもう一本チューブみたいなのがこないだまで入ってたんですけどね。」

特に病名を明かすことはなく、「やっぱり聞かれた。」と思いながらさらっと笑顔で答えました。

すると、そのお母さんは怪訝そうな顔をして

「・・・そうなんですか・・・。
全くどこも悪いように見えないですよね?
どこが悪いのかなって思って。
この交流会にはどうして来たんですか?
今って、経管栄養のチューブだけなんですよね??」

「・・・・・・・・・。ええ・・・・。」

なんだか、申し訳ない気持ちと、来るんじゃなかったっていう気持ちと入り混じって、私はこんな返事しかできませんでした。

なんだか、「これ程度の病気で来るな。」って言われた気がして。

今までのうまみの頑張りを否定された気がして…。

「大したことない」って言われた気がして…。

娘の「見た目」と「難病」とのギャップ

うまみは幸いにも、「難病」と分からない見た目で産まれてきました。
パッと見ただけでは「難病」とはわからないと思います。

でも…健常者と比べるとお世話は大変で、たくさん痛い思いをして、たくさん辛い思いをして、たくさん頑張ってきたのは事実です。
通院も必要で、訪問看護も必要な状態。

うまみの病気は手術をしても、大きくなっても様々な爪痕を残し、おそらく成人する前ぐらいまでは治療が必要だと言われています。
通院回数は減っても、ずっと通院が必要なのです。

産まれたときに医師から、今後成長と共に合併症が発覚する可能性が高いことも、指摘されています。

見た目から「難病」だとわからなかったとしても、決して健常者と同じではないのです。
いろんな方のフォローが必要なのです。

確かに、世の中にはうまみよりもっと重い病気の子はたくさんいますし、私やうまみが世の中で一番苦労しているとは、もちろん思っていません。
むしろ、このような場に来た時、うまみより重い病気の子を知った時は、「うまみはこの程度ですんでよかった」と安堵する時だってあります。

でも、どうしても健常者と、長男と比べてしまう事も多々あって…。

外出中、うまみと同じぐらいの年の子を見るたび「この子は口蓋裂がないんだろうな。いいな。」と思って恨めしく見てしまう時だってあります。
親として人として失格かもしれませんが・・・。

これは贅沢なのかもしれませんが、上を見ればきりがなくて、下を見てもきりがなくて。
自分がどの位置にいるのかさえ分かりませんし、それを知ったところでどうなるわけでもありません。

ただ、命があるだけ、ありがたいことだと思わなければならないのだろうと思っています。
昔の時代に産まれていたら…助からなかった命ですから。

でも、そうはいってもやはり、うまみが見た目には健常者と変わらないことと、実際の難病とのギャップで、健常者グループにも入れず、障害児グループにも入れず、孤立していて、どこにも属すことができない「仲間外れ感」を感じることがあります。

今後もそういった思いをすることは多々あると思いますが、私はこれからもずっと、うまみと一緒に様々な壁を乗り越えていくしかないと思っています。

「お母さんは、これからもずっと、うまみの一番の仲間だからね。」

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